ロケット科学者の思考法

2025年07月02日 16:42

「ロケット科学者の思考法」オザン・ヴァロル著を読みました。著者のオザン・ヴァロル博士は、ロケット科学者としてNASA火星探査車プロジェクトのオペレーション・チームに参加、その後、ルイス・アンド・クラーク・カレッジ法学教授となり受賞歴もある。また、作家、ポッドキャスト・ホストとしても活躍している。イスタンブールに生まれ、アメリカに渡りコーネル大学で天文物理学を専攻、2003年前述のNASAのマーズ・エクスプロレーション・ローバー・プロジェクトで活躍した。「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙、「ニューズウィーク」誌、BBC、「タイム」誌、CNN、「ワシントン・ポスト」紙、「スレート」誌、「フォーリン・ポリシー」誌などに記事を執筆。著書に「The
democratic Coup d’Etat(民主的なクーデター)」がある。ウェブサイトozanvarol.comに毎週ブログを投稿している。講演家としても人気で、ラジオ、テレビのインタビュー経験も豊富。大企業、非営利団体、政府機関のさまざまな規模の聴講者を対象に基調講演を行なっている。(表紙裏の著者紹介より)

この本は、「ロケット科学者のように考える」とはどういうことか、日常生活やビジネスに応用できる形で解説しています。宇宙開発のような極限の不確実性と複雑さに挑む科学者たちの思考法を、私たちの問題解決や意思決定に活かすためのヒントが詰まっています。単なる自己啓発本ではなく「どうすれば不可能を可能にできるか?」という問いに対する答えを出すために悪戦苦闘した歴史が語られ、創造性とクリティカルシンキングの向上、複雑な問題に対する柔軟なアプローチ、自分の限界を突破するためのマインドセットなど、まさに“ムーンショット“を実現するための思考法が述べられています。(COPILOTより)

オザン・ヴァロル博士は第8章では失敗は成功のもと、第9章では成功は失敗のもとについて書いています。よく言われるのは失敗についてであり、失敗から真摯に学び、次に成功する可能性を高めることができれば、教訓となることはよく語られていていますが、博士は逆のバージョンの成功からも学べと語っています。

「いくつかミスをしても、結果として成功することは実際ある。いわゆる「まぐれ」というやつだ。」

「確かに私たちは成功したけれど、ミスもしたし、無駄なリスクもとった、と反省しなければ、その先には惨事が待っている。間違った判断とその危険はずっとつきまとい、かつての成功はいつか私たちの手をすり抜けていく。」
成功も失敗もなぜそうなったかを自分の頭で考え、疑い、アップデートしていく必要があるようです。

アマゾン創業者であるジェフ・ベソス氏は毎年株主への手紙の締めくくりに「今日はまだ創業初日」という言葉を記しているそうです。不確実性と複雑さに挑むためには「Day1」のマインドセットが必要なのかもしれません・・・「Day2」(アマゾン社内では停滞・官僚化・衰退意味するそうです)も含めて考えてみたいと思います。

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