歴史学はこう考える

2025年08月20日 15:44

「歴史学はこう考える」松沢裕作著を読みました。著者の松沢裕作博士は、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退、博士(文学)。東京大学史科編纂所助手・助教、専修大学経済学部教授をへて、慶應義塾大学経済学部教授。専門は日本近代史、史学史。著書に「明治地方自治体制の起源」「重野安繹と久米邦武」「自由民権運動」「日本近代村落の起源」「日本近・現代史研究入門」などがある。(著者紹介より)

資料の山に埋もれ、ひたすら解読している?過去の出来事の是非を論争する?このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかにしたいものは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。この本の内容はこんな感じです。(表紙裏の内容解説より)
ちなみに2025年新書大賞第3位入賞です。

歴史の話なので回りくどい話になるかと思ったのですが、具体的な論文を素材にしてものすごくわかりやすく書かれています。歴史学の論文を書く著者はこうした思考過程をたどって書いている・・歴史学者はこう考えている。そんな切り口での解説は新鮮で、面白く読ませてもらいました。本の帯に“歴史の解像度があがる!“と書いてありますが、私も多少ながら歴史の本を読むときに抑えるポイントがわかったような気がします。とてもわかりやすかったので松沢博士の著書をもう一冊読んでみようと「明治地方自治体制の起源」という本を探してみました、Amazonで9570円(歴史学はこう考えるのほぼ10倍)400ページを超える大著でした。鎌倉中央図書館に1冊蔵書がありましたが、貸出不可で閲覧のみになっていました。一般向けの新書と専門書はかなり違うようです。機会があったら専門書の方もチャレンジできれば・・・と考えています。

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