「世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ」齋藤ジン著を読みました。著者の齋藤ジン氏は、在ワシントンの投資コンサルティング会社共同経営者。1993年に単身で渡米。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院修士(国際経済学・東アジア研究)。投資関連コンサルティング業務を営む米国のG7グループを経て、2007年、オブザーバトリー・グループを米国で共同設立。ヘッジファンドを含むグローバルな機関投資家に対し、各国政府の経済政策分析に関するコンサルティングを提供。地政学分析と日本政治、金融政策、財政政策、為替、規制政策に精通した日本エキスパート。(著者紹介より)
冷戦終結以降、世界は「新自由主義」という市場原理主義的な価値観に基づく秩序のもとで動いてきた。小さな政府、グローバル化、効率性の追求ーーそれらは一時的に繁栄をもたらしたが、やがて格差や分断を生み、社会の不安定化を招いた。著者は、こうした「旧秩序」への反動として、トランプ現象やブレクジット、ウクライナ戦争などを挙げ、世界が新たな価値観を模索する転換期にあると説く。この変化の中心には、米中対立がある。中国は新自由主義の成功者として台頭し、アメリカとの覇権争いが激化。サプライチェーンの再編や経済的デカップリングが進む中、世界は「二極化」ではなく「多極化」へと向かっている。この流れの中で日本が再び戦略的に重要な位置を占める可能性に注目する。この本は、単なる国際情勢の分析ではなく、「世界のルールが書き換えられる瞬間」に私たちが立ち会っているという認識を促す。日本の可能性を再発見し、世界の新しい秩序の中で自らの役割を見つけること、それが本書の核心である。(COPILOT作)
結構難しい話が書いてあると思うのですが、なんといってもこの本は読みやすくてありがたいです。コンサルティング会社でレポートを書いている方だけあって分かりやすくて説得力がすごい。齋藤氏によると失われた30年で雇用を守った日本はルイスの転換点を迎えていて、非正規労働の限界や労働力不足なども逆に成長の契機になると説いています。たとえ人手不足になっても、少数精鋭ではないですが、付加価値の高いサービスやモノを生み出し世界に売り込める、いわゆる稼ぐ力を日本は持っていると分析しているのかもしれません。未来の明るい話なので、浮かれてしまいそうですが、それはそれとして冷静によく考えてみたいと思います。
ちなみに伝説のコンサルタント齋藤ジン氏としては、今後、どうやったら大儲けできるのでしょうか?ちょっとだけ教えてもらえないでしょうかね・・・・・・無理ですよね・・・その情報を買える人は世界でも一握りの大金持ちだけでしょうから・・・・。