「世界経済の死角」河野龍太郎・唐鎌大輔著を読みました。
著者の河野龍太郎氏はBNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミスト/東京大学先端科学技術センター客員教授。1987年、横浜国立大学経済学部卒業。住友銀行、大和投資顧問、第一生命経済研究所を経て、2000年、BNPバリバ証券に移籍。2023年より東京大学先端科学技術研究センター客員上級研究員を兼務、2025年より同大学客員教授。日経ヴェリタス「債権・為替アナリスト エコノミスト人気調査」で2024年までに11回、首位に選出。著書に「成長の限界」、「グローバルインフレーションの深層」など。
著者の唐鎌大輔氏はみずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト。2004年、慶應義塾大学経済学部卒業。JETRO(日本貿易振興機構)、日本経済研究センター、欧州委員会を経て、2008年、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)入行。財務省「国際収支に関する懇親会」委員(2024年〜)。著書に「弱い円の正体 仮面の黒字国・日本」、「『強い円』はどこへ行ったのか」など。テレビ・ユーチューブ出演:テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、TBS CROSS DIG With Bloomberg「CROSS DIG Economic Labo」など。
(著者紹介より)
この本の内容はこんな感じです、新NISAをきっかけに海外の金融資産を保有する日本人が増加するなど、日本経済はかつてないほどの世界経済への依存度を高めつつある。そうした中、トランプ大統領による相互関税措置を受け、国際金融市場は大きく揺れ動いている。しかし、そもそも世界経済には、日本人が見落としがちな「死角」が存在する。それらを押さえずして先の見通しを立てることはできない。そこで本書では超人気エコノミストの2人が世界経済と金融の“盲点“について、あらゆる角度から徹底的に議論する。先の見えない時代を生き抜くための最強の経済・金融論。(裏表紙内容紹介より)
先週のブログに書いた「世界秩序が変わるとき」齋藤ジン氏の本と共通しているのですが、新自由主義は終わりを迎えるようです。グローバリゼーションによってヒト・モノ・カネが世界中を自由に移動し、それを市場が最適解を決めて効率化してくれる。そのような考え方は行き詰まったのかもしれません。格差が広がり、分断が進み、数字でなんでも効率化が図られる世の中はちょっとギスギスしすぎているように感じます。パラダムシフトが起こるとすれば混乱が起こったり、時間がかかったりするものなのだと思いますが、近い将来、収奪的な世の中が終わりを告げて、ちょうど良い余白のあるような包摂的な世の中が生み出されたらいいなあと思います。