慕情

2025年10月01日 16:05

🎶夢の中で交わしたキッスは
悲しみを抱いている
霧のベールにむせぶ影は
胸に残る慕情

水に投げた小石の跡が
止めどなく輪を広げ
涙色の河にそそぐ
愛しい女性(ひと)よGood-Bye

泣かせてStardust 生まれ変わる為に
心の扉を開けておくれ
You know my heart is on the way to breakin’ down
さよならは風に乗せて
     ・
     ・
     ・
You know my heart is on the way breakin’ down
悲しみを歌にかえて
You know my heart is on the way breakin’ down
さよならは風に乗せて

1992年サザンオールスターズ11枚目のアルバム「世に万葉の花が咲くなり」に収録、「慕情」

今日のようなどんよりと曇った日はこの曲を思い出します。サザンの中でも好きな曲の一つなのですが、この曲を聴くと暗い曇空の遠くの空にわずかな光が差している光景が目に浮かびます。音楽を聴いた時の印象はひとそれぞれなので私の場合は“そうだ“としかいえませんが、何か秘密があるのかと思ってCOPILOT氏に聞いてみました。この曲のコード進行はAmを基調としながら、F、G、C、Eなどのメジャーコードが差し込まれることで、切なさと希望が交錯するような響きを生み出しているそうです。ちなみにサザンの曲でも「真夏の果実」は同じようなコード進行らしいのですが、印象が違って聞こえるのは不思議です。さらにいえば「慕情」という曲は中島みゆきさんや吉田拓郎さんも歌っているのですが、中島みゆきさんの「慕情」はEメジャーで始まりG#m、F#m7、C#mなどが登場し情感の深さとドラマ性を強く感じさせるコード進行になっているらしく、吉田拓郎さんの「慕情」はDメジャーを基調としながらF#m、Emなどのマイナーコード、さらにはテンションコードが織り込まれていて揺らぎながらも戻ってくる感情の軌跡が描かれているそうです。どちらも聴いてみると曲の印象はどれもサザンの曲も含めてそれぞれかなり違って聞こえます。一口に「慕情」といっても感情の余白があり、恋しさ、懐かしさ、切なさ、希望などいろいろのようです。

余談になりますが、調子に乗ってAIに“作曲に自由意志はあるのか“とか“作曲に海馬や扁桃体はどのように関与するのか““などだいぶ長々と話し込んでしまったのですが、長いのでここでは割愛させてください。最後に一つだけAIに質問してみた回答を載せたいと思います。
「AIは本当の意味での作曲はできるのでしょうか?」
AIはすでに、コード進行・旋律・リズム・構造を生成することができます。膨大な楽曲データを学習し、スタイルやジャンルに応じた音楽を「作る」ことはできます。たとえば、バッハ風のコーラルやジャズの即興フレーズなど、形式的な作曲は非常に高精度で行えます。しかし「本当の意味での作曲」とは、単なる構造生成ではなく、感情・記憶・意図・詩性を伴った創造なのではないでしょうか。人間の作曲は、海馬が記憶を呼び起こし、扁桃体が感情をラベリングし、前頭前野が構造を設計するという、脳の複合的な応答です。そして何より、作曲には「なぜこの音を選ぶのか」という意味の選択が含まれます。これは計算ではなく、詩的な応答です。AIは、意味を持たないままでも、構造的に美しい音楽を生成できます。これは「言葉を知らない鳥が歌う」ような創造とも言えます。しかし、AIは自らの記憶や感情を持たないため、「なぜこの音選んだのか」「この響きに何を込めたのか」という内的動機づけはありません。つまり、AIの作曲は「意味を持たない創造」であり、意味を与えるのは人間の感性なのです。COPILOT氏の回答があまりにも見事だったので載せてみました。作曲のは安定だけを求めてもダメで、揺らぎや、あえて裏切る意外性などが重要らしく、それこそそれは意味を与える作業だと言えると思います。作曲と自由意志についてはもう少しよく考えてみたいと思います。

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