「本気で考えよう!自分、家族、そして日本の将来」加谷珪一著を読みました。著者の加谷珪一氏は1993年東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、数多くのテレビ番組で解説者やコメンテーターを務めるほか、「ニューズウィーク日本版」などに連載をもつ。著書に「貧乏国ニッポン」「国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶」「縮小ニッポンの再興戦略」「スタフグレーション」などがある。(表紙裏著者紹介より)
この本の内容はこんな感じです、賃金停滞と米などの物価高騰の二重苦に晒される私たちの生活。財源なき減税論が政争の具とされ、国民も「今さえよければ」という一種の思考停止状態に陥っている。日本経済はなぜツケを後回しにしつづける袋小路から抜け出せないのか?年金や税、賃金の制度を変えることは簡単ではない。しかし、その仕組みを正しく理解することで、減税に頼らず手取りを増やす糸口は見出せる。その時は今しかない。データに基づいた分析に加え、著者自身の経験則から導いた資産形成方法も明らかにした、国が、個人が生き残るための緊急提言。(表紙の内容紹介より)
高度成長期に生まれ、バブルを体験し、失われた30年を過ごし、いろいろあったなあと思いますが、今はただ衰弱してゆく世の中をただ呆然と眺めているような感じがします。考えてみればすべての人の利権が満たされて円満解決などという改革があるわけないですよね。著者は本の中でも論じていますが、だいたいの問題・課題はすでに出尽くしていて、それをどう具体的に変えていくか、どう利害関係を調整するかにかかっているように思えます。利する人もいれば、害する人もいる。一部の声ばかりを聞くのではなく、全体をバランスよく聞く耳が必要なようです。変化を恐れたら何もできない・・・・・・。それはいつで、きっかけは何か?よく考えてみたいと思います。