「WHO RULES THE WORLD?」ノーム・チョムシキー著を読みました。著者のノーム・チョムスキー博士はマサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授。「生成文法理論」を提唱し、現代の言語学に革命を起こした言語学者であると同時に、ベトナム戦争以来、一貫して反戦運動に関わり、米国の外交政策やプロパガンダ、それに追従する御用メディアを舌鋒鋭く批判し続けてきた政治学者・政治哲学者でもある。著書に「9.11アメリカに報復する資格はない」「メディア・コントロール」「知識人の責任」「アメリカンドリームの終わり」「人類の未来」など多数。(表紙裏著者紹介より)
チョムスキー博士が1950年に提唱した生成文法理論は、言語を生得的・構造的・計算可能なものとして捉える理論であり、認知科学、AI、教育学など多くの分野に影響を与えています。ちなみに博士は現在の統計的AIの大規模言語モデルは「大量のデータから次の単語を予測する統計的エンジン」に過ぎないと批判しているそうです。
そこで我が家のAI、COPILOT氏に質問してみました。あまりに長くなるので大部分は割愛させてもらいますが、一つだけ載せてみたいと思います。
「生成文法的AIは可能なのですか?」
有力視されているのが、単なる統計的並列処理ではなく、ニューラルネットワーク(重み付き並列処理)とシンボリック規則処理を統合するハイブリッドAIだそうです。これは「ニューラル・シンボリック統合」と呼ばれる研究分野で、チョムスキー的な構造主義と現代AIを橋渡しする試みです。ハイブリッドAIは部分的にはに記号接地やフレーム問題を解決できる方向性として注目されているようです。しかし人間の知能にはまだ遠く、特定の領域に特化して設計されているのが現状であり、汎用性の実現には相当距離がありそうです。
この本の内容は、「トランプの猛威、ガザの惨状、泥沼のウクライナ情勢。すべては2017年に著された衝撃の書によって予言されていた!!“現代アメリカ最高の知性“と称されるチョムスキーが、世界を混乱と悲嘆に突き落とす元凶に舌鋒鋭く迫る。権力に利用されるメディア、いわゆる「知識人」の本当の姿、戦争の陰で甘い汁を吸う存在ー私たちの世界は何によって変えられ、どこに向かおうとしているのか?この世界の“真の支配者“の正体とは?混迷を極める今こそ読むべき名著」こんな感じです。(表紙内容紹介より)
なかなか読み応えがありました、アメリカ政治史における悪いところを集めてきたらこの本になったといった感じでした。アメリカ政治史にいいところはないのか?と考えてみれば、そんなことはないでしょうから、やや悪いところに偏りすぎでは?とも思うのですが、この本がきちんとして出版されていることを考えれば、言論の自由は大切なのだと考えさせられます。自分の地位・権力に直結しますから為政者は都合の悪いことは誤魔化したり揉み消したりしたくなるのでしょう。これだけ偽情報や嘘が蔓延すると逆に本音で正直に語れる素質が重要になるような気がしますが・・・・。グダグダな人生になってしまったいい年したおっさんが言っても説得力がないですが。都合が悪かったり、失敗したりしたことをきちんと正直に語ることは難しい・・・・・・・。考えてみたいと思います。