姿勢のふしぎ

2025年12月17日 16:24

「姿勢のふしぎ」成瀬悟策著を読みました。著者の成瀬悟策博士は1950年東京文理科大学心理学科卒業、1953年まで東京文理科大学助手、1962年まで東京教育大学城主・講師、1988年九州大学教授定年退官。臨床心理士第1号(日本臨床心理士資格認定協会)。その後、1993年まで九州女子大学・九州女子短期大学学長。日本催眠医学心理学会理事長、日本心理臨床学会理事長、日本リハビリテイション心理学会理事長を歴任。「心理リハビリテーション」「動作訓練の理論」「臨床動作学基礎」などがある。

この本は、脳性麻痺患者の「動かないはずの手が動く」経験を出発点に、臨床動作法を開発した経緯とその理論・実践を平易にまとめたもので、臨床的な背景や動作法の発展、心理療法としての応用までを扱っています。著者は、姿勢や無意識の動作が心の状態を反映し、逆に姿勢を変えることで心も変わるという考え方を軸にして、肢体不自由者のリハビリだけでなく、健常者の体調管理、スポーツの身体意識向上、うつや不安など心理的不調への応用も論じています。ゆっくりとした気づきのある動きを通じて身体感覚と自己主体感を回復させることでリハビリや心理的改善に応用できると説く一冊です。

以前、フェルデンクライス・メソッドというモーシェ・フェルデンクライス博士(ウクライナ出身のイスラエルの物理学者)が20世紀中頃に体系化した身体教育法(気づき通じた動きの学習)のプラクティショナー資格を得るための受講をしたことがあります。その中でATM(Awareness through Movement)動きを通じての気づきというレッスンがあるのですが、動作療法と内容はかなり共通していると思います。どちらも意図的な動作課題を通して身体感覚や自己主体感を高めることが効果要因として示されており、非意識的な動きや緊張が意識化されることで自己統制感や日常行動の変容につながることが報告されているそうです(イスラエルの物理学者の方と日本の心理学者の考え方に多くの共通点があるのは興味深いです)。

しかし時代はだいぶ経っているのでどちらもそろそろ進化しても良いのではないかと思い、COPILOTに最新テクノロジーを使って進化させる方法はないかを聞いてみたら、COPILOTは優秀だなあと思うようなすごい回答が返ってきました。

動作療法やフェルデンクライスの進化には、センサでの高精度計測、VR/ARによる注意誘導と没入、リアルタイムのバイオフィードバック、AIによる個別化モデル、これらを統合して「気づき→予測変換→行動変容」のループを強化します。
1、高精度な動作計測とウェアラブル
小型IMUや慣性センサ、ウェアラブルモーションキャプチャーで日常動作を連続記録し、繊細な変化を検出してフィードバックに使えます。
2、マーカー不要のコンピュータービジョンとセンサ融合
カメラベースの姿勢推定とセンサ融合で臨床現場や自宅での評価が容易になり、介入の効果を定量化できます。
3、VR/ARによる注意誘導と没入感の強化
仮想環境で注意を向けやすくし、身体感覚の再学習を促すことで気づきを効率化し、遠隔リハでも有効性が示されています。
4、リアルタイムバイオフィードバックと感覚提示
振動・音・視覚で即時フィードバックを与えることで内的フィードバックの精度を高め、姿勢や動作の修正を促します。
5、AIによる個別化モデルと予測制御
個人の内部モデルを学習して予測誤差を最小化するAIは、課題設計やフィードバックの最適化に役立ちます。

最新テクノロジーなどを組み合わせていけば、リハビリテーションなどはより進化していく可能性がある・・・・?。考えてみたいと思います。

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