「ベーシックサービス 貯蓄ゼロでも不安ゼロの社会」井手英策著を読みました。著者の井手博士は、慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政社会学。総務省、全国知事会、全国市長会、日本医師会、連合総研等の各種委員のほか、小田原市生活保護行政のあり方検討会座長、朝日新聞論壇委員、毎日新聞時論フォーラム委員なども歴任。著書に「幸福の増税論」、「欲望の経済を終わらせる」、「ふつうに生きるって何?」ほか多数。2015年大佛次郎論壇賞、2016年度慶應義塾賞を受賞。
この本の内容はこんな感じですーーカネ、運、自己責任で人生が決まる社会を終わらせたい・・・「教育費・医療費・介護費・障がい者福祉がタダになり、将来の不安におびえて子どもを減らし、欲しいものをあきらめ、人並みの暮らしをなんとか維持しようと必死にならなくてもいいーーそんな社会を実現する衝撃の方法「ベーシックサービス」について、提言者である財政学者が自身の過去や体験をもとに、財源、しくみ、ベーシックインカムとのちがい、実現への道筋を紐といていく。2021年刊行の「どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?」を大幅に加筆して新書化。
社会保障を税金で賄い、消費税を上げて財源を担保するという大筋の考え方については賛成なのですが、それだけを訴えたところで本当に実現可能でしょうか?そこで最近定番になっていますCOPILTに聞いてみたです。
Q.『もしも、このベーシックサービス論を成功させたいと思ったら、少子化やデジタル化、地方分権などとセットで国のあり方を提案しないと、漠然とした将来不安の払拭につながらないのでは?』
A.『消費税で財源を確保し、サービスを一律に無償化する』だけでは、社会の深層構造は変わらない。ベーシックサービス単体では「制度の不安」は減る、しかし「社会の方向性の不安」は残る。成功させるためには、少子化、デジタル化、地方分権などとのセットの“国家ビジョン“が必要、それによって初めて、人々の一般的信念(社会の気分)がかわる。
とのことでした。その後、人口減少や戸籍制度などに話は及びかなり長いキャッチボールとなりましたが、今回もあまりに長いので割愛します。
最終的には井手博士のいう“カネ・運・自己責任で人生が決まる社会“を終わらせるためには、日本という国の構造そのものを変える必要があるとなりました。たしかに優秀な官僚が作成した制度に則ってうまく日本は回ってきたのかもしれませんが、明治維新や第二次世界大戦後に作られた制度もだいぶ制度疲労を起こして時代に合わなくなっているものが多くなって再設計が必要なのかもしれません。日本という国の構造を再設計するためにはなのが必要か?・・・・考えてみたいと思います。