天園ハイキングコースと建長寺

2020年08月13日 17:11

山の日だからというわけではないのですが、先日8月10日天園ハイキングコースに行ってきました。一部は大雨の影響で閉鎖されているので、建長寺半僧坊から登って覚園寺に降りるショートコースにしました。入り口となる建長寺は朝9時台ということもあってほとんど人がいませんでした。建長寺は巨福山建長興国禅寺といい、鎌倉五山の第一位、臨済宗建長寺派の大本山です。1253年に鎌倉幕府五代執権北条時頼が建立した我が国最初の禅宗専門寺院です。開山(創始者)蘭渓道隆は、中国の高僧無明慧性に学び、1246年33歳で来日し、九州、京都を経た後、鎌倉に入り北条時頼に請われて建長寺に迎えられました。

【ちなみにこの欄渓道隆は鎌倉に入った時、はじめは常楽寺(1237年第3代執権北条泰時開基)の住持となり中国風の禅宗を広めていました。「常楽は建長の根本なり」という言葉があるくらいです。実を言うと私はこの常楽寺の近くで産まれて育っていて、建長寺や円覚寺と比べるとちっちゃいボロっちいお寺だなあと思っていたのですが、結構由緒正しいお寺で、北条泰時の墓があったり、梵鐘(国の重要文化財)は建長寺・円覚寺とともに鎌倉三大名鐘と称される。】

入り口で拝観料を払って、前から買おうと思っていた“禅”Tシャツを買ってどんどん進み一番奥の半僧坊までくるとかなりの標高を登っています、こうした険しい道のりや天狗の像があちこちに置いてあったりすると、修行僧のいるところといった雰囲気が味わえます。さらに上の勝上献展望台の景色は圧巻で高所恐怖症にはきついくらいです。鎌倉の中心部が一望できる高台が建長寺の裏山にあるのは、軍事的な意味合いが大きかったのではないかと思ったりしながらの1時間半程度のコースでした。暑い日だったにもかかわらず、森の中は日陰が多く、風も気持ちよく通っていたのでそれほど疲れは感じませんでした。

最後に大覚禅師(蘭渓道隆のこと)が好んだ言葉です

「福山は揮て松関をとじず無限の清風来たりて未だ已まず」

一切の制「限」を「無」くし
ただ「清」らかな「風」のみを感じれば心は解放される
修行者にも一般の人にも 老若男女 あらゆる人に対して
福山はいつでも門戸を開いていると言う意味だそうです。

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)