鎌倉歴史文化交流館

2020年08月20日 16:23

鎌倉歴史文化交流館をご存知でしょうか?多分鎌倉に住んでいる住民でも知っている人間は少ないと思います。鎌倉歴史文化交流館は、鎌倉の歴史的遺産・文化的遺産を学び、体験し、交流できる場として、2017年5月15日に開館した鎌倉市立の博物館施設です。原始・古代から近代に至る鎌倉の歴史を紹介する《通史展示》と、鎌倉の地下から発掘された出土品を紹介する《考古展示》を主な展示のコンセプトとしています。実を言うと私は、展示にはあまり興味がなくて、もともとあった個人宅を活用した建物に興味があって見学に行って来ました。その建物はイギリスの著名な建築家ノーマン・フォスター氏が代表を務めるフォスター+パートナーズの設計によるもので、今後21世紀の建築遺産として、鎌倉の新たな文化資源になると言われています。フォスター+パートナーズの設計による代表的な建物はシティーホール(ロンドン)、香港上海銀行本店(香港)、ドイツ連邦議会新議事堂(ドイツ)などや、アップルの新社屋も手掛けているそうです。もともとここの土地は江戸時代相州伝の刀工正宗の末裔である綱廣の屋敷があったと伝えられ、その後大正年間には、三菱財閥第4代当主の岩崎小弥太が、母早苗のために療養所を兼ねた別荘を構えていた所でした。その土地に「潮音洞」と「Pavilion」の 2棟で構成される個人用住宅「Kamakura House」が2004年竣工して、いろいろな経緯を経た結果、2013年に鎌倉市が土地と建物を取得するに至ったようです。この建物には屋上やジャグジー、プール付きの地下室なども作られているのですが、非公開となっていて見学できなかったのは残念です。現代美術や仏教美術に造詣が深い当時の所有者の意向を汲み取って住居であり、建物自体が一つの芸術作品のようになっているところはフォスター+パートナーズによる個人住宅建築は少ないことからも大変貴重なのではないかと感じさせられました。しかし自分が住み事を考えてみると、外の明るさからすると館内の暗さが際立ち、全面石の壁に囲まれて生活する事を考えるとあまり日本の景観や気候と合っているかは好みの分かれる所だと思います。(やっぱり日本には木があっているのではないかなあ・・・・・・・・)

展示を見るのも良し、建物を見るのも良し、裏山からの景色を見るのも良いので、ぜひ一度訪れてみてください。

写真1 外観
写真2 中庭にある和風建築
写真3 裏山からの眺望

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)