HELPING CHILDREN SUCCEED

2021年02月26日 08:48

昨日のブログで“格差は日本でも広がっているのではないか”という話を書きましたが、それの関連して「HELPING  CHILDREN SUCCEED」邦題(私たちは子供に何ができるのか)著者ポール・タフを読みました。ポール・タフさんは子供の貧困と教育政策を専門に多数の執筆活動を行なっているフリーのジャーナリストです。今回の著書で彼が語っているのは、近年、教育分野で関心の高まっている「非認知能力」は子供がより良い人生を歩むうえで「認知能力」(IQや学力)よりも影響が大きく、所得の格差によって「非認知能力」を育む環境格差が生じている。よって「認知能力」を上げようとする多くのプログラムは効果があがらないのであり、「やり抜く力」「好奇心」「自制心」など、つまり「非認知能力」・・・人生の成功を左右する力の育み方を、科学的根拠と先進事例から解き明かしています。こうしたことに対する家庭や学校、地域社会の取り組みとして、家庭では“親”の間違いを正すのではなく、「良い行動」を伸ばせば子供の自制心が育まれたり、「教科の指導法」ではなく「落ち着いた雰囲気の作り方」の訓練を受けた先生のクラスでは、生徒の成績が劇的に伸びる。といった具体例が挙げられています。日本でも熱心な学校の先生が生徒の「認知能力」を伸ばそうと孤軍奮闘するも、なかなか成果が上がらず燃え尽きてしまう話を聞くことがあります。「非認知能力」は学校で教えれば良いというものではないので、家庭・学校や教育行政、地域のコミュニティーなどが連携して早期から(幼児期から)取り組むべき課題のようです。日本語版のまえがきで、フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんはこう書いています“貧困に冷たい我が国は、貧困は自己責任だと突き放し、そして結果として、自己責任なんて持ちようがない子供たちの間に貧困が広がることを、放置してしまっている”・・・・興味のある方はぜひ読んでみてください。

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