擬態

2021年07月30日 13:43

「虫は人の鏡 擬態の解剖学」という養老孟司博士の書いた本を読んでみました。その本には海野和男さんという昆虫写真家の写真が掲載されているのですが、合わせて海野さんの「昆虫の擬態」という写真集も見てみました。カモフラージュ、なりすまし、威嚇、死んだふり・・・なぜ虫はこんな色と形をしているのか?多数の写真とともに自然の見方について学べる学べる一冊です。
擬態とはWikipediaによると、動物が、攻撃や自衛のために、体の色や形などを、周囲の物や植物・動物に似せること、と書いてあります。カマキリやバッタ、ナナフシなどが周囲の植物や地面の模様にそっくりな姿をする様子や、毒を持つ生物と違う種が、毒を持つ生物と似たような体色を持つことで、捕食されないようにすることなどはよく知られている例だと思います。しかし写真で見れば見るほど“不思議だなあ・・・”と感じてしまいます。これが遺伝情報(ゲノム)に組み込まれているのですから、どこでどういうスイッチが入ったらこうなるのか?自然から学ぶべきことはまだまだ多いように思います。本の中で養老博士は情報について、コンピューターの技術の進展に伴い、情報学は工学系とみなされるようになったが、生物は遺伝子系と神経系という二つの情報系を持っている。こうした複数の情報系どうしの関係といった、擬態を典型とするマクロ的な情報現象の分析には、基本すらまだ成立していない、と触れています。もしかすると擬態の研究から今後大発見があるのかもしれません。
ちなみにうちの治療院の横に小さな水路のようなものが流れていて、蝶がよく通り過ぎてゆくので蝶道になっているのではないかと思っています。先日黒い大きな蝶が通って行ったのでジャコウアゲハに擬態したクロアゲハだったのではないかと思っています(確認したわけではありませんので、勝手に思い込んでいるだけかも)。近いうちに鎌倉中央公園で擬態している生き物でも探してみようかなと思っています。

写真はモンシロチョウです。

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